ネットショップ開業の成功事例・失敗事例から見えてきた共通点

「ネットショップの開業前に成功するショップはどんなことをやっているか知りたい」
「開店準備を進めてきたが、不安なので失敗しないためには何が必要かをおさえておきたい」
「失敗するショップって何がダメなの?」
こんなことが知りたい店長さんに朗報です。

成功ショップの特徴と失敗したショップの共通点をまとめましたので、ご紹介します。

これを読めば準備万端に安心してショップをオープンできること間違いなし!
もれている箇所がないか、失敗するショップと同じことをしていないかチェックしてみましょう。

成功しているネットショップの共通点

ネットショップの成功パターンを徹底分析※した結果、繁盛ショップには大きく3つに分類できる共通点があることがわかりましたので、ここでご紹介します。
※対象ショップ:平均月商100万以上の約500ショップ

1. 安心感を感じてもらえる情報の掲載

1-1. 電話番号の表示

トップページないし商品ページで電話番号を積極的にPRしているショップの購入率は、電話番号を積極的にPRしていないショップと比べなんと223%高いという結果になりました。

ネットショップでは、不安があると購入に至りません。
電話番号を載せ、不安感を減らし購入率アップを狙いましよう。
また、Web申し込みから離脱するお客様を電話注文で拾う効果もあります。

なお、電話の種類の内訳は、フリーダイヤルが19.8%、固定電話が77%、IP電話が2%でした。
電話の種類の違いは、購入率に大きな差はないことがわかったため、電話の種類に関わらずなんらかの電話番号を入れることをおすすめします。

ちなみに、電話番号を載せると業務負荷が増えると考えている方も多くいますが、顧客の声は特に新規開業時には改善のヒントになるので、工数に見合った効果は期待できるでしょう。
もし、電話で必要以上の問い合わせを減らしたいとお考えなら、問い合わせが多いものをFAQ(よくある質問)として掲載すると効果的です。

1-2. 顔写真の掲載

トップページないし商品ページに店長、生産者、スタッフの写真があるショップの購入率は、写真がないショップと比べ125%高いという結果になりました。

売り手、作り手の顔を出すことにより、購入者の不安感を低下させ、 購入率アップにつながるという結果なので、店長、生産者の顔写真を入れることをおすすめします。

また「ヒトケ」を演出することで、無味乾燥になりがちなWebサイトに効果的なアクセントをつけられます。

1-3. ショッピングご利用ガイド(規約の要約情報)の表示

トップページないし商品ページにショッピングご利用ガイド(規約の要約情報)のあるショップの購入率は、表示がないショップと比べ126%高いという結果になりました。

お客様が気になる配送情報、決済等の情報を、画面遷移の中で表示することにより、スムーズに購買までいたるという結果なので、表示することをおすすめします。

1-4. 決済方法の表示

決済方法を設定しているショップは、未設定ショップと比べ111%購入率が高いという結果になりました。

利用可能な決済を表示することで、お客様の疑問や不安を解消するとともに、ショップへの信頼感をアップさせる効果があるので、是非設定しましょう。

makeshopでは多様な決済方法をご用意しております!詳しくはこちら

1-5. 後払い決済の導入

これを導入しているショップは、未導入ショップと比べ359%売上が高いという結果がでています。

はじめて商品を購入する際、購入者は先払いの銀行振込みやクレジットカードで商品を購入することに、かなりの抵抗感を持ちます。
後払い決済では、商品到着後にコンビ二決済・銀行振込・ 郵便振込などの後払いが可能なため、注文者様にとって、安心して買い物ができるサービスとなり、購入の心理的なハードルが下がります。

そうはいっても、使用頻度が過半数を超えるクレジットカード決済がなければ、購入率が減ってしまうので、あくまでメインとなるクレジットカード決済、銀行振り込みを用意したうえで、導入を検討しましょう。

makeshopで利用できる後払い決済はこちら

2. サイト内接客(離脱しないため)の工夫

2-1. 買い物力ゴボタンの工夫

買い物カゴボタンの大きさと色によって、ボタンのクリック率は変わります。

小さなボタンでは、消費者がマウスカーソルを合わせづらかったり、ボタンに気づかずそのままページを閉じてしまうケースもあるため、大きなボタンの利用をおすすめしています。

また、設定のポイントとして、単品注文の比率が高いショップさんの場合は 「すぐに注文する」タイプのボタン、複数商品注文が多いショップさんの場合は 「いったんカートに入れる」タイプのボタンにすると、購入確率が高くなるといわれており、おすすめです!

2-2. 決済ページに看板画像の表示

商品をカゴに入れて届け先情報を入力する際に、ページ上部に看板がある方が商品ページのテイストを維持しやすく、買い物途中で離脱してしまう消費者を取りこぼさない店舗作りができます。

2-3. 決済ページ内でのステップ画像表示

決済ページでステップ画像の表示があるショップの売上は表示がないショップに比べ、高い傾向がありました。
お客様が情報を入力する際に迷わないという意味でも親切なので、できるだけ表示させるようにしましょう。

2-4. 決済ページのフォントサイズ・画面幅・色の変更

決済ページの横幅・文字サイズ・色を変更すると売上があがりやすい傾向があります。

決済ページの横幅や文字サイズを大きくすると、画面が見やすくなります。
また、サイトと決済ページで雰囲気が変わってしまうと、購入者は不安になりますので、サイトをベースにした色にすると途中での離脱率が減る傾向があるので、おすすめです。

2-5.購入者情報の入力を省ける

Amazon PayやLINEPayなどの決済方法によって購入者情報の入力を省けることでも、売上が上がりやすくなります。

購入者情報の入力は手間がかかり、お客さまにとっては億劫です。
その点、既存のアカウント情報を活用できるAmazon PayやLINEPayは、新規会員獲得やかご落ち率防止につながります。

これから独自サイトを構築・運営したい方は、多彩な決済方法に対応できるmakeshopの無料体験からご検討されてみてはいかがでしょうか。

※No.1:流通額=受注金額。ネットショップ・ECサイト構築サービス運営企業各社の発表数値より、ASPサービス単体の数値を算出し比較(自社調べ 2023年3月時点)

3. 集客(特にSEO関連)の工夫と設定

3-1. 商品数と売り上げの関係

商品数が少ない(100商品未満)ショップに比べ、商品数中(100以上1000未満)のショップ群の売り上げは5倍、商品数が多い(1000商品以上)ショップ群は、43倍という結果になりました。

商品数中のショップ群と商品数多のショップ群の1商品当たり売上高を比較すると、商品数多の方の減少率はわずか3.5%にとどまり、ほぼ商品数に比例して、売り上げが伸びている結果となりました。

以上の結果から、商品数と売上はほぼ比例の関係があり、売上を伸ばしていくためには、商品の品ぞろえを充実させる必要があると言えるでしょう。
もし、商品数が少ない場合、仕入れ強化、商品を組み合わせた企画商品などで、商品数を増やすことをおすすめします。

なお、商品数が増えると下記のような集客・購入率への好影響ももたらします。

  • ページ数が増え、末端のページの検索ヒット数が増える。
  • 末端ページの検索のよい評価が、サイト内リンクによってトップページへと集まり、サイト全体の検索エンジンの評価が上がり、検索(SEO)に強くなる。
  • 商品数が増えると来訪者の商品マッチ率もあがり、購入確率があがる。

などの効果も期待できるでしょう。

3-2. SEOキーワード設定

SEOのキーワードをtitleにしっかり設定をしているショップは、未設定ショップと比べ166%売上が高いという結果がでています。

集客に必須であるSEOの中でも、かんたんに、しかもすぐにできて、効果が見込めるtitleにキーワードを設定することについて、きちんと実施しているショップは売上もあがっていました。
SEOは、難しそうだからということで敬遠されがちですが、最低限このキーワードの設定だけでもやっておくことで、効果に期待できるので、やっておきましょう。

その際のポイントは、自社の顧客は誰かということを決め、顧客の気持ちになって、どんな検索語句で調べるかを徹底的に考えることです。
顧客のイメージが具体的であればあるほど、その顧客が本当に知りたがっていることがわかるので、できる限り具体化して考えましょう。

3-3. SEOサイトマップ設定

このサイトマップ(正式にはXMLサイトマップ)を設定済みのショップは、未設定ショップと比べ115%売上が高いという結果がでています。

そもそもサイトマップを作成・更新することでどうなるかというと、検索順位に反映される時間が短縮でき、より早く検索の順位があがりやすくなります。
特に、新規にネットショップを開業する場合、誰しも一刻も早く順位があがってほしいと考えると思います。
そのためには、この設定が必要になるので、設定することを強くおすすめします。

なお、具体的な方法は、有料のショッピングカートなら大抵標準機能として搭載しているので、そちらでかんたんにできます。
もし標準搭載していなければ、作成したいURLをいれるだけで、その場ですぐにサイトマップの作成ができ、ファイルをダウンロードできるsitemap.xml Editorというツールがあるので、ご活用ください。

ここで、上記の安心感と決済、集客の工夫について、裏づけるようなデータがあるので、ご紹介します。
このデータは、PayPal Pte. Ltd.およびJECCICAによって、2万人の消費者を対象に実施したもので、中小のECサイトを利用しない理由が書かれています。

出典:中小EC企業向け2016年EC戦略白書(PayPal Pte. Ltd. &JECCICA)

このデータから読み取れることとして、購入の1番の障害になっているのは、知らないことです。
裏を返せば、知っていることは、多くの人が使っていることの証明にもなる(もちろん大々的に宣伝をする等あれば話は別ですが、宣伝が最初からできるということは、それなりの資金力がある企業がほとんど)ので、その意味で安心感があるとも捉えられます。

むしろ、知らないことの背景には、「その会社大丈夫?」とか「怪しくない?」とかいう負のイメージが隠れている場合が少なくないでしょう。
だから、できるだけ情報を開示して、安心して買い物ができることが効果があるのだと思います。

また、商品数が少ないことは、事実として購入しない理由の3番目にでてきていますので、商品数が重要なことがご理解いただけるかと思います。

さらに、新規で会員登録することについて面倒と感じている方が2番目に多いことも見てとれます。
そこで、入力の負担を極力減らすことで、ゴールとなる売上があがるようになることもこのデータからわかります。

以上のように、成功している企業は、消費者が購入しない理由を払拭し、売れる努力をしているとも言えます。
是非、今回ご紹介した特徴を、できるところから自社にも活用していきましょう。

失敗したネットショップの共通点

はじめから失敗することを考えてネットショップを開業する方は皆無だと思いますが、なぜ失敗してしまうのか?

実際に売れずに撤退していったショップを調査してみると、失敗するショップには、下記に掲げた大きく3つの共通する点がありましたので、ここでご紹介します。
せっかく一念発起してネットショップをはじめても、売れずに即撤退することのないよう、ここに書いていることを教訓としていただければ幸いです。

1. かんたんにできそうだからとりあえず始めた

最近では、無料で気軽にできるショッピングカートもでてきて、ネットショップを非常にかんたんに始められるようになりました。
しかし、かんたんになっただけに、最初に考えるべき「誰に対して、何の商品を、どのように売っていくのか」というコンセプトをしっかりと考えずに始めてしまうショップさんをよく目にします。

コンセプトを考えずに、とりあえず立ち上げたショップがどうなったか?

商品の独自性が高く尖っていて、売れるショップさんももちろんいましたが、それはほんの一握りで、多くは、まったく売れずに撤退していくという悲しい現実でした。

コンセプトを考えることは、メインとなる顧客が特定できることにもなるので、顧客の立場になって何が欲しいのかを考えやすくなり、訴求するメッセージにも一貫性がでてきます。
それだけでなく、デザイン(色)やコミュニケーションの方向性、商品開発など、自社の世界観を統一する“軸”にもなるものです。
だから、コンセプトを考えることは、特に重要になるのです。

なお、コンセプトの立て方については、別ページのネットショップのコンセプト決めが成功を左右する!にて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

2. 集客の重要性を知らず、やり方もわからないからほとんどやっていない

「そもそも集客が必要なことさえもわからなかった」「集客はあとから考えようと思っていた」
特に最近、副業ではじめられる方も増えたことで、このような話も聞くようになってきました。
ECモールに出店することを考えている場合(相応の費用はかかります)ならまだしも、それ以外の選択肢であれば、まず間違いなく集客が必要になります。

実店舗の場合には、通行量が多い立地に出店すれば、偶然見つけて店を見てもらえる可能性がありますが、ネットショップの場合には何もしなければ、誰にも見てもらえません。
だから、集客をしないと売れないのです。

実際に売上をあげているショップは、ほとんどの時間を集客に使い、施策の実施と工夫をしています。
もし、集客の方法がわからなければ、ネットショップ集客成功のポイントに詳しい集客方法を記載していますので、ご覧いただき、無料でできるものもあるので、まずはできるところからはじめてください。

どうしても集客に人手とお金がかけられないようであれば、集客機能が豊富な有料のショッピングカートASPを選びましょう。

なぜ有料のショッピングカートを薦めるのかというと、無料のショッピングカートは、集客機能が有料のショッピングカートに比べて少なく(金額が違うから当たり前ですが)、自分で集客をする必要があります。
従って、売上をあげるためには、どうしても相応の知識と時間、短期で売り上げをあげる場合には広告の費用がかかってしまうからです。

対して、有料ショッピングカートASPは、ECモールよりも費用が安く、集客機能の種類も豊富でかんたんにでき、初期、月額費用ともに無料の成果報酬(売れた分だけ支払う)の形式が多いので、人手(時間や知識含め)とお金をあまりかけずに集客ができます。
選ぶ際の参考にしてください。

3.リピーター対策をまったく実施していない

失敗するショップに共通する点の最後に、リピーター対策をまったくしていないということがありました。
たとえるなら、穴の開いたコップに水を注いでも、一向に水が溜まっていかないのと同じで、いくら集客で新規のお客様を集めてきても2回以上買ってくれないから、売上も利益も伸びないということです。

ネットショップを立ち上げた当初はやることが多く、人も時間も限られていますので、ほとんどの場合手が回らないということがあるかと思います。
そんなときは、基礎的なものから実施していき、売上が伸びて安定してきたら、アルバイトスタッフや外注などを活用して時間を作り、さらに集客とリピーターの対策を深堀して実施していくとよいでしょう。

本当に時間がない場合には、まず集客に集中して、新規のお客様を連れてこられる目途をたて、その後リピート顧客への施策を実施しましょう。
詳しい方法については、別ページのリピーター対策の基礎知識で解説していますので、是非ご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

売れているショップには必ず成功のカギがあることがご理解いただけたかと思います。
ここで、本文中にあった中小のECサイトを購入しない理由と対策案を再掲すると

1. 企業、会社の事を知らない
⇒電話番号、顔写真、規約の要約、決済情報などできる限り開示し、少しでも不安を取り除く努力をしましょう。

2.新規で会員登録するのが面倒
⇒面倒に感じていることを念頭に、決済ページの幅や文字の大きさ、ボタンや色などサイト内の工夫や改善をし、ストレスをかけない努力をしましょう。
※面倒に感じているので、項目は極力少なくすることも必要です。

3.取り扱っている商品が少ない
⇒商品点数を増やしていく努力をし、どうしても難しければ、卸サイトや輸入などで仕入れることも視野にいれましょう。

成功されている先輩ネットショップをお手本に、今日からショップ運営に励んでいきましょう!
ショップの大繁盛をお祈りしております!

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